外池滋生会員が著書を出版されました

  • 2019.5.21

東京チャプター会員の皆様

ホノルル在住の外池滋生会員(73年)が開拓社より著書を出版されました。タイトルは「ミニマリスト日英語比較統語論」です。本書の内容を著者にうかがったところ、以下のお答えをいただきました。

簡単に説明するのは難しいのですが、いくつか分かりやすい主張点を挙げておきます。
1)ある程度抽象的なレベルで比較すると言語は皆同じ構造をしていて、日本語と英語も同じ構造をしているが、ただし要素の順番からすると、日本語と英語は鏡像関係にある。

2)英語は主語(Subject)-動詞(Vverb)-目的語IObject)の言語であり、日本語はSOVの言語であると言われるが、助動詞(Auxiliary)を考慮にいれると違った姿が見えてくる。

英語は、中核は[S V O]で、助動詞はその左に来て、主語はさらにその左に移動すると考えられている。can [John eat natto] –>John can      eat natto  (     はJohnの元の位置)
私は日本語は英語と正反対であると考えるので中核は[OVS]で、助動詞は英語とは逆にその右にくるが、動詞が右側に動くと考えている。[納豆を 食べ ジョンが]られる —>[納豆を     ジョンが] 食べ-られる     (    は「食べ」の元の位置)
日本語では文中の要素を文頭に自由に移動できるので、「ジョンが納豆を食べられる」の語順も可能である。 

3)全ての言語には発音されているかどうかは別にして、英語の定冠詞に相当するものがあるが、日本語では、それは「が」「を」「に」「の」のようないわゆる格助詞である。(日英語では順番は逆)
他にも(沢山)あるのですが、これ以上になると話が抽象的になりすぎると思いますので、これでご勘弁願います。(外池滋生・記)

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